投稿日：2022年12月1日

頼まれてもいないことをしすぎない

　お金で人を集めるのは間違い

寂しい人は、お金を使って人を寄せたがります。
人もものも、ある程度はお金でついてくるからです。

わたし自身の体験談です。会社を立ち上げたとき、ついてきてくれた部下たちの待
遇をよくしなければと思って、まだそれだけの力がなかったにも関わらず、30 万円程
度の給料を渡し、車も駐車場代も、ガソリン代も負担して、結局ひとりあたり50 万円
ほど支払っていたことがありました。
そのうえで、まだできていない部分はわたしが代わりに営業のフォローをして、み
んなで稼ぐ体制にしていたのです。

 

ある日、突然社員のひとりが
「自分で全部できます」
と言い出して、委託費をもらっていた取引先に直談判し、
50万円で、直接契約させてください」
と言い出しました。その取引先からは月３００万円ほどいただいていて、そのお金
で人件費などをまかなっていたので、現場は混乱。
チーム全体でフォローしながらやっていたのに、それを全部ひとりでできると勘違
いしてしまったわけです。ただし、その主張は却下されました。

 

ひと悶着あったあとに、その部下は取引先と40万円で直接契約したのですが、チー
ムの傘下から外れたので、本部の営業会議で思いっきり詰められるようになり、最終
的には
「何もできないじゃないか」
とクレームにまで発展してしまったのです。

 

「ご飯を食べに連れて行き、飲みにも連れて行って、あれもこれもしてあげて、給料
もきちんと払っていたのに、なんで人は裏切るのだろう…」
よく、こう嘆く経営者がいます。
わたし自身も同じように
「なぜ人は裏切るのだろう？」
としばらく悩んだこともありました。ところが、よくよく考えると
「頼まれていないことをしていたのだな…」
と気づいたのです。

 

与えられすぎると、人は勘違いをしてしまうものです。
何から何までやりすぎてしまったことを、反省しました。
身の丈以上のものを与えすぎると怖いのだということを、ぜひ知っておいてください。