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投稿日:2023年10月10日

支払いできるかどうかは事前に確認しておく

はじめての相手には立て替えをしない

お金を出し渋る企業を相手にする場合、全額を後払いにしてしまうと、踏み倒され
たり逃げられたりするケースがあります。

ですから、当然のことではありますが、支払い元の信用力は確認したほうがいいで
しょう。誰が払うのか、もし支払い先に逃げられた場合には回収できるのか、といっ
たことを最初に調べておくのです。

わたしは、お金があるのかないのかがよくわからない相手先とは契約しません。
そして、はじめて取引をするときには、お金を取り損ねることのない契約内容にす
るよう注意しています。たとえば契約時に30%、発注時にはさらに何%など、立て替
えが発生しないような決済方法にしておくのです。

さらに、全額を後払い、掛売りにはしません。
全額を後払いにしてくるような相手先とは、そもそもお付き合いしないほうがいい
でしょう。

原価を先に回収する

また、立て替えが発生しない条件でしか契約しないようにしましょう。
契約時に払っていただく際は、原価を先に回収します。
案件が走り出してしまったら、完全に損をしてしまうというのが原価の部分です。
たとえば太陽光事業の場合、先に権利金を払ってもらい、次にパネル発注費を前金
でいただきます。前金をいただくまで、パネルの発注はしません。
この時点でも、立て替えは発生させないということです。
「この支払いができないのなら、支払い不履行で契約を解除します。契約金は戻しま
せん」
という契約内容にしておけば、契約金だけはもらっていますし、リスクもありませ
ん。ですから、ものでもサービスでも、わたしたちは最低限30〜50%の初回取引の際
の原価を先にいただくように心がけています。
そして、最終的には納品時に全額支払っていただくのです。
これは、ものやサービスと物々交換ができるように、利益は納品時でいいですよと
いう考え方です。
すべてこちらが損をするようなリスクは、最初から背負わないようにしましょう。

口頭ベースでの契約はしない

お付き合いが長くなって信用度合いが変われば、掛売りも考えます。
ただし、いくらお付き合いが長くなっても、いい人だとわかっていても、わたしは
口頭ベースでの契約はしません。
かならず書面で契約します。

口頭での約束で痛い目をみた人は、少なくないのではないでしょうか。
わたし自身もそうです。だからこそ、
「言った、言わないであとから揉めたくないので、先に書面を交わしておきましょう」
と言って、書面を交わします。

関係性が良好なときほど、書面を交わすことを意識しましょう。
なぜなら、いい関係を築いていた担当者が辞めたり、経営者や上司が替わったりす
ると、最初に契約した条件を変えられてしまう可能性があるからです。

書面がないと対抗措置を打てなくなってしまう、という理由もあります。
こちらが負債を負う可能性のある契約はしない
過去に、とある案件で、オーナーが会社を潰してしまい、契約が無効になってお金
の回収ができなくなってしまったということがありました。
会社を潰されてしまったら、回収どころではないですよね…。
わたしは、その会社の会長と何度かお会いしたことがあり、人柄もわかっていたの
で、何かあったときに備えて、大元のお金を持っている元請けの会社も含めた3社契
約にしました。

それによって、こちらが負債を払う必要がなくなりました。
リスクを回避する策をとることで、さまざまな障害をクリアできたのです。
書面を交わすことの重要性を再認識した出来事でした。