Column
投稿日:2021年01月20日
昨今のコロナ不況では、ピンチをチャンスにできた人とそうでない人が大きく浮き彫りになりました。なかでも、飲食店がその象徴だったのではないでしょうか。
コロナや災害のような緊急時には、いままで普通にまわっていた事業が急にうまくいかなくなるといったことが起こってしまいます。
このときに大切なのが、次の一手を素早く打つということ。コロナの流行後、いち早くテイクアウトに進出した飲食店のなかには、自粛期間中に大きく売上を伸ばしたところもあります。これまでのやり方を手放し、時代の流れに合わせて柔軟に動いていけるかどうかが非常に大切と言えるでしょう。
「どうしよう…」と悩んでいるうちにどんどん差が開き、「うちもテイクアウトをするぞ」と決めたときには、他店と大きく差をつけられていることになってしまいます。
実際、後発でテイクアウトを始めた飲食店は、テイクアウト用の容器がすでに売り切れており、かなり高値のものしか入手できなかったという話も聞きました。結局、損をしているわけです。
何事にもタイミングがあります。先の見えない時代では、失敗を恐れて動かないよりも、まずやってみて、やりながら修正していくくらいのほうがうまくいくのではないでしょうか。
何より、行動することは経験を積むこと。自分の経験が増えるという意味でも、長期的に考えればかならずメリットがあります。
これまで1,000人を超える経営者の方にお会いしてきましたが、どんなときでも自分は与える存在であることを意識している方がうまくいっているように思います。給付金をもらうことだけをあてにしていると、自発的に動くことをやめてしまうのです。
こうなると、思考が停止し、お客様に喜んでもらおうという発想がどこかへ行ってしまいます。これは、経営者としては致命的ではないでしょうか。
本当につらいとき、その渦中にいると長期的な視野で考えることは難しいかもしれません。でも、そんなときこそ前を向くことが大切です。
どんな状況でもプラスに変えていく。
この気概を持って行動することが、いまの時代には不可欠です。
そして、「よし、やってみよう」と軽やかに行動するためには、いつでも最悪の事態を考えて備えておくことも大切です。
このバランス感覚こそ、逆境をプラスに変える経営には不可欠だと思うのです。
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