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投稿日:2021年01月20日

未回収や入金の遅れ…お金にルーズな取引先の見極め方

「おやっ?」という違和感をキャッチする

未回収をはじめとしたお金のトラブルの場合、事前に「これは危ないのではないか」という場面に遭遇することが少なくありません。

いざ受注して納品しても、入金がない――。
こういったことを防ぐためにも、その会社の全体像や経営状況を常に把握しながら取引を進めることが大切です。そこでヒントとなるのが、日頃のちょっとしたやりとりです。

たとえば、取引先の担当者との会話のなかで

「うちの会社、じつは資金繰りが難航していて…」
「親会社が決済を渋りがちなんですよ」

といったように、日々の雑談などでこうした重要な情報をキャッチすることができます。
もちろん、担当者とどれくらいの距離感で付き合っているかによって、入ってくる情報量に違いはあります。でも、受注するまでの間に取引先の担当者だけでなく、その人を紹介してくれた人、周囲の関係者など誰かしらと接触をはかっているはず。そのときに、さまざまな情報を得て、会社の全体像をつかむことが大切です。

営業担当者は、どうしても「受注につなげたい」という思いが先行して、取引先の経営状況の把握をしないまま取引を進めてしまうことがあります。受注に向けて舵を取りながら、並行して会社の経営状況を把握してこそ、受注後にスムーズな流れをつくることができるのです。このとき、契約や取引の決裁者が誰で、手続きはどの部署が行っているのかといったことも押さえておくとなおよいでしょう。

事前情報を踏まえて、少しでも不安が残る場合は、契約時に着手金を少しもらっておくのも一案です。まず、原価を回収し、残りの利益は納品後にいただくといったことでも、かなりのリスクヘッジになるでしょう。

 

最後にものを言うのは、日ごろの信頼関係

万が一に備えて、リスクヘッジをかけることも大切ですが、経験上いちばん強力なのは、やはり信頼関係です。「あなたの支払いは保全しますよ」と思ってもらえる関係を築くまでにはもちろん時間はかかりますが、その分、ちょっとやそっとでは壊れない強固な関係になります。

取引をする際は、こうした万が一の状況も踏まえて付き合うことが大切です。
そうは言っても、万全の準備はできますが、絶対はありません。リスクヘッジを取りつつも、「この人は裏切りたくないな」と思ってもらえるような誠実な姿勢も欠かさないようにしましょう。

日々の積み重ねが、いざというときに力を発揮してくれるのです。