Column
投稿日:2022年03月10日
大学卒業後、実業団に入ったわたしは、先輩方と反りが合わず、半年で去
りました。
退団後は、金融関係の会社に営業として就職。
1日300件以上の営業電話をかけ、1年間で全国3位になりました。
その会社を退職してからは、地元の大分に戻り、アルバイトで生計を立て
ることに。そこで、ある工場の専務秘書になったのです。
秘書になったときは、舌打ちばかりの毎日でした。
「ガソリンを入れてきて」
と頼まれ、戻ってきたら
「洗車してきて」
と言われて引き返す。
「1回で言ってくれればいいのに…」
と心のなかでふてくされて、入社後の半年間は、ストレスで具合が悪くなるほどでした。
とはいえ、こんな生活をずっと続けるわけにはいきません。
「このままではいけない。言われる前に全部やろう」
と決意。
以後、わたしは自分を捨ててみることにしました。専務の依頼は、すべて
において最優先。そうすると、腹も立たなくなったのです。
普段の業務では、先読みをしてガソリンを入れ、資料を用意し、言われる
前にすべてこなす日々。23歳の頃のことでした。
かゆいところに手が届く仕事の仕方を、徹底的に学んだ秘書時代。
成長するために、自分のやり方を捨ててみることも、ときには必要です。
大変でしたが、わたしの仕事の原点は、ここにあります。
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