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投稿日:2021年01月20日

お金には、経営者の考えや姿勢が表れる

お金の課題は人間関係の課題

未回収や入金の遅れなど、お金に関するトラブルはビジネスではつきものです。トラブルの原因はさまざまで、解決策は案件ごとに異なります。ただ、ひとつ言えるのは、お金との付き合い方は、人との付き合い方が大きく影響しているということです。

取引先からの入金が遅れたといっても、付き合いが長かったり、とてもお世話になっていると感じている場合はどうでしょうか?

「すぐに催促するのは今後の関係に響くのではないだろうか」
「とはいえ、振り込んでもらわないわけにもいかない」
「…さてと、どんなふうに交渉していこうか」

このように、相手との関係性にもとづいて対処の仕方を考えているのです。
「お金はお金」と割り切ることはなかなか難しく、そこにはかならず人間関係が影響します。しかも、お金の話は自社の資金繰りにも大きく関わってくるシビアでデリケートなもの。
経営者にとって、このようなストレスは常に隣り合わせと言っていいでしょう。

 

支払日の午前中の振り込みを徹底する

未回収や入金の遅れなどのお金のトラブルは、一度起きてしまうとお互いの信用を大きく傷つけることになりかねません。弊社のコンサルティングでは、お金のトラブルが起きないようにすることを非常に大切にしています。

その方法のひとつが、「支払日の午前中に着金するように支払う」というものです。
「なんだ、そんなことか」と思う方もいるかもしれませんが、これを徹底できている企業は決して多くはないのです。

支払日に着金することはもちろんですが、なぜ午前中に設定しているのか。
それは、取引先によっては、この入金を次の支払いにまわそうとしていることもあるからです。
その場合、午前中に入金があれば、当日支払うことができます。
ですから、相手の都合を想像して、午前中に着金するようにしているのです。

これを全社でルール化し、徹底すること。これだけでも会社の信頼度は格段にアップします。「午前10時までに着金できるように手続きを済ませてください」と関係各所に依頼するほか、銀行の窓口で手続きを行う場合は、「決済資金なので、急ぎでお支払いをお願いします」と一言加えることで、支払いの遅れを防ぐことができるでしょう。

弊社では、このように業務の内容、関係各所への伝え方までアドバイスをしています。
それほど、未回収などによるお金のトラブルは多いのです。

ルーズな会社になると、支払日ぎりぎりに振り込みをするため、着金が翌営業日になることも…。これはかならず避けなければなりません。
金曜日が支払日の場合、月曜日の朝まで着金されないのです。
遅かれ早かれ、支払日までに振り込まなければならないのに、支払い方・支払うタイミングで相手に与える心象は大きく変わります。最悪の場合は、取引停止といったことにもなりかねません。

万が一、入金の遅れなど取引先に迷惑をかけてしまった場合は、逃げも隠れもせず誠実に対応することが大切です。

 

「あなたの会社は裏切れない」という関係を築くことが大切

このように、お金の支払いには、経営者の考え方や姿勢が表れます。これは個人的な感覚ですが、ルーズな経営者の会社は、とくにお金の部分でトラブルが出やすい印象があります。

将来起こりうるお金のトラブルを未然に防ぐためには、まず自分たちの金払いをよくすること。これが、取引先に「この会社は絶対に裏切ることはできない」「この会社とは長い付き合いをしていきたい」という信用を重ねていくことになるのです。

お金も人も、付き合い方ひとつで、敵にも味方にもなります。
これを忘れずに日々の取引をすることが大切ではないでしょうか。