Column
投稿日:2021年06月10日
電波のない地域で、携帯電話を300台売ったときの話です。
販売支援の仕事として、
・携帯電話をどうしても売らなくてはいけない
・指定された期間内に300台売る
という指示を受けました。こちらが出社する手間も惜しいということだったのでしょう。
「会社には来なくていいから」と言われ、皆で手分けして販売箇所を広げていきました。
わたしは「地元の大分に行ってきます」と伝え、昔からの先輩に頼んで、いろいろな場所に連れて行ってもらいました。
バスケットボール部のOB会など、ありとあらゆるところです。
そのほとんどが、当時はまだ携帯の電波が届かない地域だったので、「必要ない」と断られてしまいました。
当時は、携帯電話をいよいよ国民全員が持つようになる手前の時期。
携帯会社は、電話をただで配って歩いているような状態だったのです。
ところが、携帯の本体料金として、1000円いただかないと赤字になってしまうという難しい条件がありました。
どうしたものかと散々思い悩んでいたのですが、あるとき、セールストークをひらめきました。
「携帯電話は外出時に使うものです。家にいるときには固定電話があります。出かけるときに携帯するから携帯電話なんですよ」
この説明を聞いて、電波がないことを理由に購入しなかったお客さまたちが、軒並み契約してくださったのです。
このケースで言えば、電波が届かないところに売りに行く人などほとんどいないのではないでしょうか。
わたしはそこで「電波がない場所だからこそ買いたくなるには?」という逆転の発想をしました。
その結果、一気に何百台と契約が取れたのです。
うまくいかないときほど、逆転の発想をしてみてください。
ほかの人と同じことを考えていては、打開策は見つかりません。
そして、「自分だったらどう提案されたら買うか?」を徹底的に突き詰めること。なぜなら、自分が納得して買えないものは、人も納得して買えないからです。
考え抜けば、かならず解決策が見つかるはずです。
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