Column
投稿日:2023年07月20日
納税は国民の義務です。
では、あなたの会社では、売上がよかったとき、どれだけ節税をしていますか?
税金について何度も触れていますが、わたしは、節税=取引先やお世話になっ
ているスタッフにいかに還元するかを考えること、であると考えています。
たとえば、1000万円税金を納めなくてはいけないとわかり、節税すると
300万円の納税で済むと言われたとき、残りの700万円をあなたはどうしますか?
わたしの場合、その700万円で種を蒔きます。
たとえば取引先に高めに報酬を渡しておくのもいいでしょう。
そうすることで、自社が困ったときに、単価の高い仕事をもらえるかもしれません。
わたしは節税を、「種を蒔く」という投資の気持ちで行っているのです。
余分なお金を出す必要はありませんが、どうせ支払うはずだった1000万円と考
えて、700万円を取引先などに還元するようにしておけば、関係性も良好になり、
お付き合いが長く続く可能性も広がって、困ったときには返してもらえるでしょう。
物事を考えるときには、このように長期的な考え方をしましょう。
「全部使えば1000万円がなくなる」
と思うのではなく、
「700万円は投資しているのだ」
と考えられるかどうかが重要です。
わたしは税理士さんにサポートしていただいた度合いに応じて報酬金額を多めにお
支払いするように心がけているのですが、たいていの会社は月額3〜10万円の顧問料
を支払い、決算時に20〜30万円の報酬を支払うというのが相場かもしれません。
でも、たとえば数百万円分が節税できた場合、その一部を税理士さんに還元できれ
ば、経費で処理ができ、WIN ─ WINになるわけです。
そうすると税理士さんも、
「何かまた特別に節税できることはないかな」
といつも気にしてくれるようになり、結果としてプラスに転じます。
浮いた700万円を「投資」という気持ちで使えるかどうかが、ポイントです。
もちろん考え方は経営者によってそれぞれ違いますが、お金が出ていくことに対し
て損をしたような気持ちになっている人が多いのは事実です。
経費と使えるお金とのバランスを、わかっていない人も多いですね。
たとえば、あなたの会社がどこかの企業にコンサルティングをしているとして、そ
のコンサル先の企業から
「税金で3000万円払います」
と言われたら、
「え? それならコンサル料を上げるという選択肢はないの?」
と、思ってしまいませんか?
社員の士気を上げるお金に使う、取引先の単価を上げて種を蒔いておくといった考
え方はまだ一般的ではありませんが、本書を読んで、
「自分もそうしてみようかな」
と思っていただけたら嬉しく思います。
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